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2008年12月21日日曜日

第9話:説法釈尊(初転法輪)


さて、梵天王に勧請され、説法することを決心しましたが、はじめに誰に説いてよいのか思案です。
いくら、方便を使って説くにも、ある程度機根のある人でないと理解してもらえない・・・。


出家時に師事したバラモンの仙人はもう亡くなっていますし、そうだ、かつて苦行を一緒にした5人にしよう。


5人は、200キロ先の鹿野苑(インドのベナレス)にいるのでそこに徒歩で行き、以下の5人をつかまえて、説法を開始しまた。



  • 嬌陳如(きょうじんにょ)
  • 跋提(ばつだい)
  • 婆沙波(ばしゃば)
  • 摩訶那摩(まかなま)
  • 阿説示(あせつじ)

はじめは、苦行を途中でやめたゴータマ(釈尊の本名)の言う事なんか聞けるか・・・という態度でしたが、次第に釈尊の熱意にほだされ、歴史的な説法が始まったのです。


『比丘たちよ。この世には近づいてはならぬ2つの極端がある。如来は、この2つの極端を捨て、中道を悟ったのである』

これが、第一声でした。


この中道のあと、四諦八正道の教えが説かれたとのことです。


その後、5人は、釈尊のお弟子になり、仏、法、僧がはじめてそろった、つまり、仏教が誕生した記念すべきイベントで、この説法を初転法輪と云います。


ちなみに、初転とは、はじめて転がすことで、法輪とは、法の車輪。(古代インドでは、りっぱな王には、巨大な車輪が授けられた。)

2008年12月7日日曜日

第8話:方便釈尊(梵天勧請)


さて、悟りを開かれた仏陀こと釈尊は、初めの7日間は、その悟りを味わい。
あとの14日間は、とあることを考えていました。


それは、悟り得た難信難解な法を、世の人々に説いてよいものかどうか・・・。
本来、人々を救う法で、機根が低い人たちの場合は、逆に不幸にしてしまうこともあるだろう・・・。
説くべきか、説かざるべきか・・・。



その時、もろもろの梵天王や帝釈天・四天王などの多くの神々が、その眷属たちを引き連れて現れ、
人々のために説いて頂きたいと請うのでした。



すると、釈尊は、過去の仏の示された方便力のことを考えつき、相手に応じて、それにふさわしい方法で、
いろいろに説き分けることにしようと決心されたのです。



そして、釈尊は、梵天王に、こう仰いました。



『わたしは、あなたの勧請を受け入れ、甘露の法雨を降らせよう!
 すべての人々よ、神々も鬼神たちも、すべての耳のあるものは、この法を聞くがよい!』


これで、以来2500年の間、甘露の法雨が地上に降り続けることになるのです。つづく。