法華経譬喩品に以下の一節(偈)があります。
今此の三界は。皆是れ我が有なり。其の中の衆生は。悉く吾が子なり。而も今此の処は。諸の患難多し。唯我れ一人のみ。能く救護を為す。
意訳:
この三界はみんなわたしのものだからです。その中にいる衆生はすべてわたしの子だからです。
しかも、この三界にはもろもろの苦しみ悩みが満ち満ちているのです。
どうして、わたしがこの苦の世界に飛び込んでいって、わが子を救わずにいられましょう。
しかも、みんなを救うことのできるのは、たった一人、わたししかいないのですよ。
解説:
「みんなを救うことのできるのは、たった一人、わたししかいないのですよ。」のフレーズは、普通の人が言えば、超傲慢ですが、釈尊が言ったということは、宇宙の真理ということです。
つまり、みんなを救えるのは、唯一、宇宙の真理だけであると・・・。
逆に云うと、宇宙の真理に沿って生きていけば、みんな救われるということです。
では、宇宙の真理とはなにか?
私が思うには、「正しい行いをしていくと幸せになる」です。
もうちょっと詳しく言うと
「正しい行いを続けていくと、善い縁が沢山できて、善い結果が生じ、世界が大調和し、みんなが幸せになる」
だから、毎日読誦する『唯我れ一人のみ。能く救護を為す。』の偈は、心に勇気を与えてくるのかなと思う次第です。
ちなみに、三界とは、凡夫が生死を繰り返しながら輪廻する世界を3つに分けたもので、
- 欲界:淫欲と食欲に支配され、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天人の六道が住む世界
- 色界:欲望は離れているが物質的条件にとらわれた世界
- 無色界:物質的なものから完全に離れた精神的条件だけをもつ世界
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