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2008年5月14日水曜日

堤婆達多品 第十二(法華経のあらまし)

法華経は、正しい行いをしていけば、すべての人が幸せ(成仏)になれるという教えです。
すべての人ですから、当然、悪い人も女の人も正しい行いをしていけば、成仏できるわけです。
なぜ、悪人と女性を同等に扱っているかと言うと、『提婆達多品第十二』のテーマが『悪人成仏 & 女人成仏』なのです。
悪人成仏は、極悪人である提婆達多が主人公で語られ、女人成仏は、8才の竜女が主人公で語られます。


悪人成仏


お釈迦さまは、前世において、阿私陀(あしだ)と言う仙人に法華経を教わったとお話しになりました。
その阿私陀は、現世において、お釈迦さまの命を狙ったり、いろいろ悪いことした提婆達多のことだと明らかにされました。
しかし、その提婆達多も長い間修行をすれば、仏の悟りを得られるでしょう、と授記されました。
そして、お釈迦さまも極悪人の提婆達多が、実は『善知識』だったお蔭様で成仏できたとお明かしになりました。
生きていくうちには、良い縁ばかりではありません。そう、もちろん悪い縁(逆縁)もあります。本品は、如何に逆縁に遭遇したときに、それを人間的成長の糧として消化していくことの大切さを教えてくださっています。


女人成仏


文殊菩薩から教化された竜女が、即座に悟りを得ますが、舎利弗はそんなことがあるはず無いと信じません・・・、でも結果的には信じざるをえなくなります。
しかし、竜女はそのままでは、成仏出来ず、男性に変身して成仏するのです。法華経では、『変成男子』とあります。また、梵本では、『女性の生殖器が消え、男性の生殖器が生じる』とあるそうです。
なんで、女性のまま成仏ができないのか・・・謎だ。ブッダの時代は、よほど女性の地位が低い時代だったのかなぁ・・・。
とにかく、ブッダの時代は、女性のまま成仏するなど、とんでもないと思われていた時代だったようです。現代でもまだ、なごりはありますよね・・・。
そして、すべての人を平等に救う教えの法華経だからこそ、女性までもが成仏できるというのはごく当然のことなのです。どんなに女性蔑視の時代にも・・・。つまり、法華経こそが、女性の味方の経典なのです。(ここにもってこれて良かった・・・。)


堤婆達多品の謎


実は、この堤婆達多品は、当初、鳩摩羅什が訳した『法華経』には欠けていて、後から誰かが編入させたそうです。
これは、鳩摩羅什の持っていた法華経の原典がすごく古くて、そうなったらしい、つまり、訳本の方も原典の方も別々に進化していて、あとから辻褄を合わせをしたらしいです。今となっては謎ですが・・・。

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