しかし、その前に復習です。法華経は、前半が『方便品』を中心とした智慧の教え(迹門の教え)で、後半は『寿量品』を中心とした慈悲の教え(本門の教え)です。これは、前半(迹門)と後半(本門)が別々のように思えてしまいますが・・・、実は・・・。
- 『舌を出したり』とは、インドでは、自分の言ったことは真実であると云うことで、迹門を信じても、本門を信じても、実は一つなのだという象徴。(出広長舌)
- 『光を出したり』とは、迷いの闇を打ち破ることで、迹門の原理も、本門の原理も、実は一つなのだという象徴。(毛孔放光)
- 『咳をしたり』とは、声を出し教えを説く象徴のことで、迹門の教えも、本門の教えも、実は一つなのだという象徴。(一時謦がい)
- 『指パッチをしたり』とは、インドでは承知しましたと云う事で、迹門の教えを広めることを承知した人も、本門の教えを広めることを承知した人も、実は一つなのだという象徴。(倶共弾指)
このように如来(釈尊と菩薩)が『一時謦がい』『倶共弾指』をしたら以下のようなことが起こりました。
- 天地のあらゆるもの心が感動した。(六種地動)
- 普くすべてのものがこの大会を見ることができた。(普見大会)
- 諸天善神が法華経を説いた釈尊を供養すべしと空中から唱声した。(空中唱声)
- 空中唱声を聞いて、必ずすべての人が釈尊に帰命する。(感皆帰命)
- 花、香、瓔珞等が美しい帳に変じて如来の上に覆った。(遥散諸物)
- すると、宇宙空間(十方世界)が一つの仏土になった。(通一仏土)
そして、この
- 出広長舌
- 毛孔放光
- 一時謦がい
- 倶共弾指
- 六種地動
- 普見大会
- 空中唱声
- 感皆帰命
- 遥散諸物
- 通一仏土
これが、『如来の十大神力』と云われています。
そして、この『如来の十大神力』を踏まえ、法華経の総まとめの句がつぎに示されます。
『如来の一切の所有の法・如来の一切の自在の神力・如来の一切の秘蔵の蔵・如来の一切の甚深の事・皆此の経に於て宣示顕説す。』
とにかく、如来の一切の『正法』『衆生救済力』『秘密の教え』『修行の実践方法』が、すべてこの法華経に注ぎ込んでいると宣言しているのです・・・。あぁ、なんて有り難い、合掌。
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