髪中の譬え
妙法蓮華経安楽行品第十四に出てくる譬え話しです。
物語
非常に強いある国の王が、命令に従わない多くの小国を次々と討伐しました。その戦いで手柄があった武将には、領地や衣服や宝石などを褒美として与えましたが、自分の髪に結ってあった明珠の飾りだけは、与えませんでした。
なぜならば、それはたった一つしかない最上の宝なので、もしむやみにこれを与えたら、王の一族が驚き怪しむだろうと考えたからです。
しかし、くらべもののないようなすごい手柄を立てた者がいたら、おしげもなく髪に結ってあった明珠のを与えるでしょう。
解説
この譬えは、法華経が難信難解なので、機根ない人に無闇に説いては行けませんよ。しかし、機根ができれば、おしげもなく法華経を説きなさい。ということの譬えです。
つまり、仏は、禅定と智慧で法の国を治める王です。菩薩達が、衆生を教化して仏道に入ると、 無漏(迷いがなくなる)や根力(精進の力)や涅槃(煩悩を滅する)などを褒美として与えます、 そして、菩薩達が仏法にたいする迷いをなくし、しかも信心が固くて大丈夫だと見極めたら、はじめて法華経を説くのです。
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