みなさんは、決して開けてはならない「悪魔の部屋」をご存知でしょうか?
某小誌にヘルパー養成講師でエッセイストの、認知症介護についてのエッセイの中に載っていた「悪魔の部屋」です。
ある日、認知症の母親を介護している知人から、このエッセイストに「母親を殺してしまいそう!」と電話が掛かってきました。
そのとき、エッセイストは、すかさず、「わかった、今、ロープをもって手伝いに行く」と言ったら、 受話器の向こうから大きなため息と「ありがとう、気持ちが少し落ち着いた」という言葉が返ってきたという。
普通の人なら、励ましの定番「頑張って」と言ってしまうかもしれません。しかし、介護を究極に頑張っている人には、 無意味というより、逆に本当に殺しかねません。
介護は本当に大変です。これは、経験してみないと分からない大変さなのです。このエッセイストは、「心の中に悪魔の部屋を持っていい」と言っています。
悪魔の部屋に「ぽっくり、逝ってくれないか」「どこかに行ってしまえばいいのに」を閉じ込めるのです。
自分がやさしい人だと思っている人ほど、介護される人を憎んだりすることを悪いことだと考えてしまい、ストレスになってしまうのです。
いいんです。悪いことを考えても、ただし、決して開けてはならない悪魔の部屋の中にだけに・・・。
介護と「悪魔の部屋」の葛藤の積み重ねが、死を大きく包み込み(私達、頑張ったわよね)と思える、 そして、それまでマイナスだと思っていた感情が、大きな愛に変わるのです。
今まさに、介護に疲れた人に、以下のお言葉を捧げます。
あなたが乗り越えられないような苦労を、神仏はけっして与えられません。 それは、あなたがそれに耐えて成長していける人だから与えられる試練です。 いつの日か「あのときの悲しみ、あのときの苦しみのお陰で、いまの私がある」 と思えるときが必ずくるものです。 By 庭野日敬
実は、私も父が亡くなりまでの半年間、父の介護で、妻、妹、叔母が次々にダウンして、最後は、私と長男で食事を作ったり、本当に大変な思いをしました。
私も「悪魔の部屋」に助けられたのです。また、本当にどうしようもないとき、神仏が助けてくれるを・・・実感しました。
どうか、「悪魔の部屋」で気持ちを切り替えて、辛い現実を乗り越えてください。
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