・はじめに
立正佼成会会員がほぼほぼ朝夕に読誦する所依の『経典』は、法華三部経(無量義経、妙法蓮華経、仏説観普賢菩薩行法経)のエキスをまとめたものです。それを分かりやすく解説した本が「釈尊のいぶき」です。本コンテンツは、その「釈尊のいぶき」の一部の解説サマリーです。
そして、本コンテンツの一番の目的は、所依の『経典』の内容理解です。
尚、本コンテンツを作成するに当たって以下のページを大変参考にさせていただきました。
・https://www.kosei-kai.or.jp/official/faith/creed/creed-4-7/
・経文(「釈尊のいぶき」での抜粋)
今此の三界は。皆是れ我が有なり。其の中の衆生は。悉く是れ吾が子なり。
而も今此の処は。諸の患難多し。唯我一人のみ。能く救護を為す。
・訳文
この宇宙は私のものです。その中にいる衆生は、すべて私の子です。
しかも、この世界には、いろいろな苦しみが満ちています。それを救うものは、私だけしかいないのです。
・補足
我が有なり──ここでいう「私」とは、釈尊お一人のことだけをさしているのではありません。真理・法を意味する「仏」のことであり、「真理を悟ったもの」という意味です。
この宇宙は私のものである──宇宙の真理を悟り、本仏と一体になることができれば、まったくこの世は「わがもの」です。しかし、この言葉は「宇宙は自分のものだ」という所有権を主張するものではありません。反対に、自分が宇宙に溶け込んでしまったと感じることなのです。
宇宙に溶け込んでしまうと感じることは、無我になることです。小さな我を捨てると、宇宙のすべてに生かされている自分を発見できます。すると、自分という存在が、みるみる宇宙全体に広がっていきます。無我こそ「宇宙はわがもの」に通じる、ただ一つの道なのです。
宇宙がわがものであれば、その中に住む衆生は、すべてわが子であり、兄弟・姉妹であり、仲間です。すると自然と、人びとのために親身になってつくさずにはいられなくなります。これがほんとうの慈悲心なのです。
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